ビジネス書ランキングから紐解く30代で読むべき本
20代から30代になると、仕事における役割や責任の範囲、求められる成果は大きく変化するもの。
プレーヤーとして成果を追いかけていた立場から、チームや組織を率いるようになり、裁量が広がる一方で、判断の重みも増していく年代です。
また、結婚や子育て、資産形成など、ライフステージの変化が重なる人も少なくありません。
こうした環境の変化は、「読む本」にも表れるでしょうか。
今回は、CANTERAの購買データをもとに、直近1年間のビジネス書の売上ランキング(1位〜30位)を年代別に抽出。
20代と30代を比較することで、「30代になったら読むべき本」の傾向を探ります。
30代になると高い視座が求められる
人気ビジネス書ランキング30位を年代別に集計。20代と30代のそれぞれで、ランクインした書籍のジャンルを比較してみました。
(ランキング作成 CANTERA調べ)20代では「マインド」ジャンルが最も多くランクイン。次いで「スキル」「マネープラン」が続きます。
キャリアの初期段階において「仕事への向き合い方」や「自己成長」といった“土台づくり”への関心が高いことがうかがえます。
一方、30代では「経営」「働き方」「経済」といったジャンルがランクインしました。
単なる自己成長から一歩進み、「組織」「お金」「社会構造」といった、より広い視点への関心が高まっていると思われます。
30代から人気が出た書籍
30代のビジネス書ランキング上位には、全年代で支持されるロングセラーも多く含まれています。
しかしランキング後半には「20代ではランクインしていなかったのに、30代で浮上した書籍」がありました。
(ランキング作成 CANTERA調べ)■「部下をもったらいちばん最初に読む本」橋本拓也(アチーブメント出版)
著者が取り入れた「リードマネジメント」について解説しているのが本書です。
部下を強制的に管理するのではなく、内発的動機づけにより自発的な行動を促す手法を中心に、リーダーシップや成長支援、仕組み化など、組織運営に必要な5つの技術が体系的に記されています。
30代ランキングでの浮上は、「役割の変化」に対するニーズの顕在化と考えられます。
■「2ヶ月で月30万円を実現する 超初心者でも稼げるAI活用法」あべむつき(KADOKAWA)
副業・AI活用というキーワードは、近年急速に注目を集めるようになりました。
30代は「収入の多角化」「キャリアの再設計」「将来不安への備え」といったテーマに対して検討を始める年代。AIを“知識”として学ぶだけでなく、“収益化の手段”として活用する視点に関心が集まっていることが、ランキングから読み取れます。
■「リーダーの仮面 「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法」安藤広大(ダイヤモンド社)
マネジメントの本質を「役割の切り替え」という観点から解説する一冊。
30代でのランクインは、「成果を出す人」から「成果を出させる立場」への転換に向き合う姿勢の表れにみえます。
■「科学的根拠(エビデンス)で子育て 教育経済学の最前線」中室牧子(ダイヤモンド社)
主観や持論ではなく、客観的データによる科学的な根拠に基づいて教育や子育てに有益な情報を提供してくれるのが本書。
子どもの教育をどう設計するか。どうやって将来を見据えた意思決定をするべきか。
自己成長中心だった20代から、「家族単位での最適化」へ視野が広がっている点が象徴的です。
20代が「自分を磨く10年」だとすれば、30代は「影響範囲を広げる10年」。
読むべき本もまた、自己完結型のスキル本から、組織・社会・家族へと視点を拡張する内容へシフトしているようです。
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