小学生からシニアまで 年齢を超えた学びの魅力を再発見

シリーズ全作がTOP10入りの人気学習参考書
コラム「令和で最も売れている〇〇はこれだ! 学習参考書・語学編」でご紹介した通り、令和で最も売れている小学学参は、「小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本」小杉拓也(ダイヤモンド社)です。

直近1年間(集計期間:2024年4月~2025年3月)においても、小学学参の基礎学習ジャンルで第1位を獲得しています。今回は、この本が今なお圧倒的な人気を誇る秘密に迫ります。ちなみに同タイトルの計算の達人編や同シリーズの170㎠=?㎡が3秒でパッとわかる単位の計算編「小学生がたった1日でかんぺきに単位の計算ができる本」も小杉拓也(ダイヤモンド社)の手によるもので、いずれもTOP10にランクインする人気シリーズです。
メディア露出がもたらす売上効果
「小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本」は、いくつかのテレビメディアで取り上げられ、売上を伸ばしてきました。下図は、2022年12月の発売以降の日別売上推移を示すグラフで、いくつかの小刻みな山が確認できます。一つ目の大きな山①は、2023年4月にTBSの「Nスタ」「THE TIME,」で紹介された際のものです。二つ目の小高い山②は、同じくTBSの「アッコにおまかせ!」で2023年6月に紹介されたことによるものです。三つ目の大きな山③は、2023年12月にNHK総合「NHKニュースおはよう日本」「ニュースウオッチ9」、フジテレビ「めざましどようび」での放送によるものです。四つ目の山④は、2024年2月にテレビ朝日「グッド!モーニング」で約10分間にわたり放送された際のものです。このように、各テレビ番組での紹介が売上に大きく寄与していることがわかります。この学習参考書は、わかりやすさと短期間で成果を実感できる点が魅力であり、テレビでの紹介を通じて「自分でも試してみたい」と思わせる力を持っています。

学習参考書が、脳トレ需要で広がる購買層
購入者を他の人気小学学参(算数)購入者と比較してみました。小学生向けの学習参考書ということもあり、35~49歳のママパパ世代がメインの購入層であることに変わりはありません。しかし、65~74歳のサブクラスタが他の学参購入者と比べて際立っている点が興味深いです。その比率から、小学生の孫へのプレゼントというよりも、自身のために購入しているのでは?と想定できます。「脳トレにも!」という触れ込みどおり、シルバー層の脳トレとして役立っていることがデータからも読み取ることができます。こうして、学習参考書としてだけでなく、シニア世代にも新たな価値を提供する一冊となっています。学ぶ楽しさに年齢は関係ない、ということを改めて感じさせてくれる一冊です。

(購入クラスタ分析 CANTERA調べ)