映画公開で深まる長月天音、別れがやさしく滲む物語

いま注目の“お別れ文学”―原作「ほどなく、お別れです」を読む

映画「ほどなく、お別れです」(東宝)がついに劇場公開を迎えます。主演は浜辺美波さんと人気グループ「Snow Man」の目黒蓮さんが初共演でダブル主演を務めます。葬祭プランナーを軸に“別れの瞬間に寄り添う”人々を描く物語、原作が持つ、静かであたたかな“さよならの物語”が、映像ならではの臨場感とともにどんな表情を見せるのか―公開前から大きな期待が寄せられていますが、今回は原作である「ほどなく、お別れです」/長月天音(小学館)に迫ります。

発売から再燃へ―「ほどなく」シリーズの成長曲線

「ほどなく、お別れです」シリーズは、1月7日に発売になったばかりの最新作「遠くの空へ」を含め4作品が発売になっています。シリーズ1作品目は2018年。この年に小学館文庫小説賞の大賞受賞。2作品目「それぞれの灯火」、3作品目「思い出の箱」はそれぞれ、2020年、2022年に発売。その合間をぬって1作品目の文庫が2022年7月に発売になりました。

(商品詳細 売上推移 CANTERA調べ)

昨年25年の5月に3作品目の文庫版「思い出の箱」が発売になったタイミングで、1作品目の文庫も再ブレイク。3か月後の8月に“主演キャスト情報を含めた映画公開の正式発表”が行われ、さらに上昇気流。2月の公開直前にその販売数は、発売月を大きく上回る約400%の売上となっています。

コア読者は女性8割、映画効果で“より若い層”へ浸透

「ほどなく、お別れです」の購入層は、映画公開発表前も発表後もどちらも女性が8割。発表前は、50代後半~60代がメインクラスタでしたが、映画公開発表後は45~55歳と若干平均年齢が下がりました。

(購入クラスタ分析 赤棒:映画公開発表前 青線:発表後  CANTERA調べ)

シリーズ読者が手に取るのは、“生活の所作が沁みる本”

「ほどなく、お別れです」の読者が手に取った他の文庫を出版POSデータ分析ツール:CANTERAにてみてみます。映画情報の公開前後を問わず、両時期ともシリーズ既刊が上位を占めます。あわせて、TBS日曜劇場の原作「ザ・ロイヤルファミリー」早見和真(新潮社)や、大ヒット映画の原作「国宝」上・下巻/吉田修一(朝日新聞出版)といった話題作もランキングに顔を出しています。
なかでも映画公開発表前は、日常にそっと灯りがともるような“静かな良書”「銀座「四宝堂」文房具店」/上田健次(小学館)、長月天音作品「信州善光寺門前 おやすみ処にしさわ商店」(徳間書店)、「キッチン常夜灯 夜ふけのオニオングラタンスープ」(KADOKAWA)といった、仕事と暮らしの所作が静かに心をほぐす小説群が上位に顔をそろえます。青山美智子、宮部みゆきの短編集もランクイン。
映画でシリーズに触れた方、別れや喪失を声高に煽らず、生活の所作で受け止め直す“日常に灯がともる”これらの作品に触れてみてはいかがでしょうか。「ほどなく」シリーズの余韻を、きっともう一段、深くしてくれるはずです。

(併買分析 CANTERA調べ)

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