青春18きっぷ改定で離れたのは40代?
毎年夏になると書店に並ぶ青春18きっぷ特集。
長距離移動を低コストで楽しめる青春18きっぷは、長年にわたり鉄道旅を語るうえで欠かせないテーマとして扱われてきました。
今回、2017年から2026年まで継続的に青春18きっぷ特集を掲載している複数の旅行雑誌の7月号の売上推移を分析したところ、2022年にピークを迎えた後、2026年は調査期間中で最も低い水準となっていることがわかりました。
コロナ禍で拡大した青春18きっぷ需要
商品詳細 CANTERA調べ 売上推移を見ると、2017年から2022年にかけては右肩上がりで推移。2022年の売上は2017年比で約2倍となり、この10年間で最も高い水準に達しました。
コロナ禍では、人混みを避けながら移動できる鉄道旅や国内旅行への関心が高まりました。青春18きっぷは普通列車を活用した自由度の高い旅行ができることから、その流れの恩恵を受けた可能性があります。
一方で、2022年のピーク以降は状況が変化します。売上は2023年以降減少に転じ、2025年、2026年と下落が続きました。2026年の売上はピーク時と比べて半分以下の水準となり、調査期間中で最も低い結果となっています。
購入者分析で見えた40代の減少
購入クラスタ分析 CANTERA調べ 売上がピークとなった2022年と、調査期間中で最低水準となった2026年の購入者構成を比較すると、最も減少率が大きかったのは40代で、2022年と比較して約7割減少しています。50代は約5割減、60代は約5割減、70代以上は約4割減と、40代の減少幅が大きい特徴がみられました。
青春18きっぷ特集は、名前から受ける印象とは異なり、もともと中高年層の支持が厚い企画でした。今回のデータからは、その中核層よりも先に、周辺を支えていた40代の読者層が縮小している様子がうかがえます。
ルール改定は40代の利用スタイルに影響したのか
青春18きっぷは2024年冬から大きくルールが変更されました。
自動改札が利用できるようになるなど利便性が向上。
一方で、従来は期間中であれば好きな日を選んで利用できましたが、現在は連続3日間または5日間での利用が基本となっています。また、複数人での利用もできなくなりました。
仕事や家庭を持つ世代にとっては、
- 土日だけ利用する
- 飛び石で利用する
- 家族や友人とシェアする
といった従来の使い方が難しくなりました。
今回のデータだけで、「40代の離脱はルール改定が原因だ」と断定することはできません。
実際、2022年はコロナ禍における鉄道旅需要の高まりを背景に、青春18きっぷ特集の売上が調査期間中で最も高い水準となっていました。そのため、2023年以降の売上低下には、旅行需要が平常化した影響が含まれている可能性があります。
一方で、2024年冬には青春18きっぷの利用ルールが大きく変更されました。従来の利用スタイルとの間にギャップを感じた利用者がいた可能性も否定できません。
今回の分析から見えてきたのは、コロナ禍で広がった40代読者層の減少率が大きかったという事実です。
その背景がコロナ禍需要の反動によるものなのか、ルール改定の影響なのか、あるいはその両方なのかは今回のデータだけでは判断できません。ただ、青春18きっぷを取り巻く環境が大きく変化していることは確かです。旅行雑誌の売上推移は、その変化の一端を示す興味深いデータと言えるのではないでしょうか。
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