正解を探してしまう人におすすめ『どっちもある名言集』

今、密かにじわじわと売れている『どっちもある名言集』(ライツ社)。2026年に発売になった作品で、直近2か月のエッセイ・随筆ジャンルランキングでは4位に位置しています。

ランキング作成 CANTERA調べ

この本の面白さは、ひとつのテーマに対して世の中の偉人の真逆の名言を左右見開きで紹介されていることです。

「夢を見よう」(ヘレン・ケラー)⇔「現実を見よう」(ピーター・ドラッカー)
「今日やろう」(ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ)⇔「明日やろう」(内田百閒)
「質より量」(トーマス・エジソン)⇔「量より質」(松下幸之助)

普通の名言集や自己啓発書なら、どちらかを正解として提示しそうなものですが、『どっちもある名言集』は違います。

どちらかが正しいのではなく、どちらも正しいことがある。
そんな少し肩の力が抜けるメッセージが、この本の魅力となっています。

『どっちもある名言集』はどんな人に読まれているのか

併買分析を見ると、この本の読者像が少し見えてきます。

『理想(仮)ちゃんと迷って、ちゃんとなりたい自分になる方法』/本橋へいすけ(すばる舎)、『世界の果てのカフェ やりたいことが見つかる』/ジョン・ストレルキー(ダイヤモンド社)のようなビジネスマインド本や『不夜脳 脳がほしがる本当の休息』/東島威史(サンマーク出版)、『半うつ 憂鬱以上、うつ未満』 /平光源(サンマーク出版)、『カウンセリングとは何か 変化するということ』/東畑開人(講談社)といった働き方や心理学、メンタルケアの本が上位にランクインしています。

「あきらめるな」(トーマス・エジソン)⇔「あきらめよう」(ジークムント・フロイト)
「努力は報われる」(サミュエル・スマイルズ)⇔「そうとは限らない」(大村はま)
「やればできる」(ネルソン・マンデラ)⇔「無理なものは無理」(太宰治)

読者は「もっと成長したい」「もっと成果を出したい」と考えながらも、休みたいし、気持ちを整えたいと迷っている姿が目に浮かびます。

「どっちもある名言集」併買分析 CANTERA調べ

読者層レポートを見ると、趣味・関心ではギャンブル、釣り、スポーツ観戦、ゴルフなどが上位に並んでいます。どれも結果がはっきり出る趣味です。勝負の中での気持ちの揺らぎ、そして長く楽しむには、結果との付き合い方を知らなければなりません。

「ピンチはチャンス」(藤田田)⇔「チャンスはピンチ」(大山康晴)
「リスクをとれ」(チャールズ・チャップリン)⇔「石橋を叩こう」(エドワード・ウィンパー)
「逃げるな」(宇野千代)⇔「逃げろ」(ギリシャの格言)

うまくいかなかったら気持ちを切り替える。勝つ日もあれば負ける日もある。釣れる日もあれば釣れない日もある。別の見方をしてみることも大切な視点です。

「どっちもある名言集」読者層レポート ANDONE調べ

「人生の正解は、一つじゃない」

そう、頭ではわかっていても、私たちはつい正解を探してしまいます。

あきらめるな。迷うな。前に進め。

そんな言葉に背中を押される日もあります。
一方で、あきらめたから救われた人もいる。迷ったから見えた道もある。立ち止まったからこそ、壊れずにすんだ人生もあります。(「おわりに」より)

『どっちもある名言集』は、答えを教えてくれる本ではありません。
モヤモヤした気持ちを晴らしたいとき、少し視点を変えたいときに、
「そうだよね、そういう考え方もあるよね」と思わせてくれる本です。

もし今、仕事や人間関係、将来のことなどで少し迷っているなら、この本をきっかけに正解探しをいったん休んでみてはいかがでしょうか。正解を見つけることよりも、「そういう考え方もある」と受け入れることのほうが、気持ちを前向きに切り替えさせてくれる一冊となります。

山本周五郎『赤ひげ診療譚』より

人生は教訓に満ちている。しかし万人にあてはまる教訓は一つもない。

Q&A

Q.『どっちもある名言集』とはどんな本?
A.『どっちもある名言集』(ライツ社)は、「夢を見よう⇔現実を見よう」「逃げるな⇔逃げろ」のように、正反対の名言を見開きで紹介する名言集です。正解を示すのではなく、「どちらも正しいことがある」という視点を与えてくれる一冊です。
Q.どんな人に読まれている?
A.併買分析では、ビジネスマインド本、働き方本、心理学・メンタルケア本との併読が目立ちます。特に『理想(仮)ちゃんと迷って、ちゃんとなりたい自分になる方法』、『世界の果てのカフェ』、『不夜脳』、『半うつ 憂鬱以上、うつ未満』などが上位に並んでいます。
Q.なぜ支持されている?
A.成長や成果を求めながらも、迷いや不安を抱える読者に対して、「こうすべき」と答えを押し付けるのではなく、「そういう考え方もある」という別の視点を提示してくれるからです。
Q.どんな人におすすめ?
A.仕事、人間関係、将来の選択などで少し迷っている人におすすめです。モヤモヤした気持ちを晴らしたいときや、気持ちを切り替えたいときに、「正解はひとつではない」と気づかせてくれる一冊です。

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