売上に効く!併買データが語るランキング効果

併買データが示す“ランキング効果の実証”

25年12月~26年1月の文芸書ジャンルでTOP10入り、毎年発表される「このミステリーがすごい!」(宝島社)は、“読者が次に読む作品を決める指標”として語られることが多い。しかし、本当に読者の選書行動を左右し、市場に影響を及ぼす存在なのか。今回は、出版POSデータ分析ツール:CANTERAの併買分析メニューを用い、このランキングが単なる話題づくりの枠を超え、読者の嗜好を変化させる“トリガー”として機能しているのかを検証してみたい。

(併買分析「このミステリーがすごい!2026年度版」2025年12月5日~2026年2月9日 CANTERA調べ)

「このミステリーがすごい!2026年度版」(宝島社)の25年12月の発売日以降に購入者が買った書籍ランキングは上図のとおり。国内・海外の各部門1位となった「失われた貌」櫻田智也、「私立探偵マニー・ムーン」リチャード・デミング(いずれも新潮社)が1・2位を独占したほか、海外部門3位の「ハウスメイド」フリーダ・マクファデン(早川書房)が5位に入るなど、ランキング上位作品が確実に購買へ波及している。また、12月発売の続編「ハウスメイド 死を招く秘密2」も12位にランクインし、シリーズ連動の動きも見られた。国内部門4位の「百年の時効」伏尾美紀(幻冬舎)、12位の「探偵小石は恋しない」森バジル(小学館)も上位に顔を出す結果に。
さらに興味深いのは、「このマンガがすごい!2026」「このライトノベルがすごい!2026」(宝島社)や「本格ミステリ・ベスト10 2026」探偵小説研究会(原書房)といった“ランキング本そのもの”が上位に食い込んでいる点。ランキングが好きなのか、話題作を効率よく押さえたいのか─その真意は人それぞれですが。

数字が物語る1位の力!ランキングが引き起こす“購買旋風”

発売日から30日間と、「このミステリーがすごい!」発売後30日間の売上を比較してみると、ランキング発表の影響がはっきり表れた。各部門1位に選ばれた「失われた貌」は約450%、「私立探偵マニー・ムーン」は約550%とどちらも目に見える伸びを示している。他の作品が150%前後の伸びにとどまる中で、1位作品の跳ね方は圧倒的だ。

(商品詳細「失われた貌」売上推移 CANTERA調べ)
(商品詳細「私立探偵マニー・ムーン」売上推移 CANTERA調べ)

一方で、「このミステリーがすごい!2026年度版」で上位に入った「マーブル館殺人事件」アンソニー・ホロヴィッツ、「禁忌の子」山口未桜(いずれも東京創元社)などは、発売前から一定の読者に読まれていたデータも見られる。これは、読者がランキングを“次に読む作品を探すためのガイド”として活用しているだけでなく、すでに手に取った作品がどのように評価されたのか、“答え合わせとしてランキングを楽しむ”側面もあることを示していると言えるだろう。ミステリー本をたくさん読んだ方も、これから読んでみたい方も手にしたい一冊です。

☆☆☆コラムで活用したデータをいつでもご自身で簡単に抽出できる!☆☆☆
・CANTERAは、国内最大級の全国の書店でのコミック、小説、書籍、雑誌等の出版POSデータ分析ツール。実売数を含む実績をデイリー更新で閲覧ができます。ランキング作成も可能です。会員数1.5億人超のVポイントのデータを活用して読者の購買層・購買属性や併買情報もわかります。感覚ではなく、数字のデータで企画ができるので、キャンペーンの効果測定、比較分析含めてエビデンスデータとして活用いただけます。
・AND ONEは、CANTERAより更に深堀りした読者像(ペルソナ)の顧客属性分析ツール。特定ジャンルと比較をすることもできます。アニメIP探し等のお困りごとを解決に導きます。

お気軽に資料請求・お問い合わせ下さい。

お気軽に資料請求
お問い合わせ下さい。

関連記事一覧